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ほっとくとダメな”親知らず”

こんにちは、副院長の鈴木侑です。
30年くらい前、日本歯科医師会が良い歯の日として制定した4月18日に近くなってきました。

これはおそらく定期検診のすすめとして制定したんだと思いますが、4月は年度開始月なので、社会的・精神的になかなか口腔内のメンテナンスへ行きたいという人は少数派なのかもしれません。

ましてや痛みや違和感が無いなら尚更、腰が重くなるとは理解できます。
ただし、本人が問題が無いと思っているだけで、じつはヤバめの状況になっていた…というケースもあります。

なので今回は、そんなヤバめな状況のうちの一つである『ほっとくとダメな”親知らず”』について書いて、腰のおもりをはずしてもらおうと思います。

 

親知らずって なに?

そもそもの話、親知らずって何?ということなのですが、
大人の歯(永久歯)の本数は32本で、”親知らず”という歯は上下左右の奥4箇所それぞれに1本づつある端っこの第三大臼歯をさします。

32本全部がキレイに並ぶのは稀で、だいたい10代後半から生えてこようとする第三大臼歯は、出てこれずに深い位置で埋もれたままだったり、歯の一部が歯茎から出ていたり、隣の第二大臼歯に食い込んでいたりします。

大多数の人がこれらのどれかに、または重複して該当します。
第三大臼歯が他の歯と同じように生えており、機能しているのであれば幸運な少数派だと思います。

 

ほっとくとダメな”親知らず”

この場で示す、ほっとくとダメな”親知らず”とは画像のように
歯の一部が歯茎から出ている、隣の第二大臼歯に食い込んでいるものをさしております。

対処法としては第一に親知らずの抜歯となります。
すぐに抜歯しないとしても定期検診による親知らず付近の歯肉状況改善は必要だと思います。

親知らずの症例紹介

  
        

この左の写真は、当院初診時に左下の奥歯を撮影したレントゲン写真です。

右に見えているのが第三大臼歯の頭で、その隣が第二大臼歯の歯根、左に見えているのが第一大臼歯です。
この親知らずは、上記の3つのうちの2つに重複しており、一部が出てきて、第二大臼歯に食い込んで止まったであろう症例です。

第二大臼歯の第三大臼歯と接している箇所は非常に清掃性が悪いので、むし歯や歯周病に罹患しやすいです。

この第二大臼歯は、歯周病によるグラつきがあり、本来ならあるはずの歯茎から出ている部分がむし歯で喪失しておりました。
尚且つその隣の第三大臼歯並びに第一大臼歯の一部もむし歯が進行しています。

 

治療の結果・・・

むし歯の治療と根の治療と歯周病の治療を併行して行いましたが、残念ながら第二大臼歯は残せませんでした。
もう少し早めに対処できていれば、残せたかもしれないなぁ、という歯を見つけるとやっぱり定期検診は大事だなぁとつくづく思います。

ここまで読んでいただいた皆さんも、少しでも親知らずが気になるという場合はなるべく早めに診察を受けることをオススメします。

副院長・鈴木侑