睡眠歯科
睡眠歯科について
生命活動に必要不可欠な睡眠の質を改善するため、睡眠時無呼吸症候群の治療の一つとして、または睡眠中の歯牙を保護するためにマウスピースを使用する治療です。
現在当院では視診のみではなく、口腔内のスキャンデータ分析を有効活用し、個人に適したマウスピースを製作します。
睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に頻繁に呼吸が停止したり、浅くなったりする疾患です。睡眠トラブルから、日々の生活や健康に多大な影響を及ぼす可能性があり、現在大きな社会問題となっています。
特に何度も呼吸が途切れると、睡眠の質が低下し、家事や育児などに深刻な影響を及ぼします。
また血中の酸素が減少すると、心臓や脳、血管への負担が増え、脳卒中や狭心症、心筋梗塞など重大な合併症を引き起こすリスクも高まってしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群には主に二つのタイプに分けられます。ひとつは空気の通路(上気道)が狭くなることで起こる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」です。もうひとつは、脳からの呼吸指令が送られなくなることで発症する「中枢性睡眠時無呼吸症候群」です。
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閉塞性睡眠時無呼吸症候群の主な原因
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな要素が絡み合って生じます。具体的には鼻炎、体重の増加、顎の形状、舌が下に落ち込むことなどです。またお子様の場合も、扁桃腺やアデノイド(鼻の奥にあるリンパ組織)が大きすぎると、睡眠時無呼吸症候群を発症することがあります。
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中枢性無呼吸症候群の主な原因
脳卒中や心機能が低下した状態では、中枢性無呼吸症候群が比較的よく発生する傾向にあります。ただ、中枢性無呼吸症候群の発症メカニズムについては詳しく解明されていません。
こんな症状の方は要注意!
- 息苦しくて目が覚めることがある
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
- 口が乾きやすい
- いびきをいつもかく
- だるい、疲れやすい
- 起床時に頭痛がする
- 肥満や糖尿病である
- 日中にいつも眠い、居眠りをしてしまう
睡眠時無呼吸症候群よる悪影響
- 血液中の酸素が欠乏することによって心臓、脳、血管に負担がかかり、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの重篤な合併症を来たす危険が高まります。
- 糖尿病、高血圧症などさまざまな持病への悪影響も報告されています。
- 毎晩のように睡眠が妨げられると睡眠の質が大幅に下がり、日中仕事や学業に集中できない、居眠り運転をしてしまうなど生活へも影響を及ぼします。
当院で行う睡眠時無呼吸症候群の治療
当院では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合の治療を行います。
口腔内のスキャンデータ分析によるマウスピースの作製と治療を行います。この装置は、下の顎を前に出すように調整されたマウスピースで睡眠中に気道が塞がるのを防ぐものです。
また、それと同時に生活習慣の改善を促します。ダイエットや飲酒の制限、睡眠薬を使用している場合は減薬や中止を検討します。
睡眠時の歯ぎしり食いしばりについて
患者様の口腔内を検査した際、歯ぎしりや食いしばりの兆候が見られる状況にたびたび遭遇します。そのことを患者様にお伝えすると、ほとんどのケースで自覚症状がなく、驚かれる方も大勢いらっしゃいます。実際に無意識に歯ぎしりや食いしばりを行っている方は、成人全体の約70%以上とも言われている状況です。そのため、少しでもお口周りに違和感があったり、他の方から歯ぎしりや食いしばりを指摘されたりした際は、早めに歯科医院で治療を受けましょう。
歯ぎしり食いしばりの原因
歯ぎしりや食いしばりは、日常生活のさまざまな不安やストレスが要因と言われています。また、家事や仕事などに集中している際に、歯を強く食いしばる方もいらっしゃいます。これらは一種の癖になっているので、ご自身が歯ぎしりや食いしばりをしていると認識すると、症状が落ち着くケースもあります。
こんな症状の方は要注意!
- 起床時に顎がだるい、痛い時がある
- 舌や頬の粘膜に歯の跡がついている
- 歯や歯ぐきが全体に違和感がある
- 慢性的な頭痛や肩こりがある
- 顎が開けにくい、大きく開けると痛い
- 歯が冷たいもので染みやすい
歯ぎしり食いしばりによる悪影響
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口腔内への悪影響
- 歯が欠ける、割れる
- 顎関節症を引き起こす
- 詰め物・被せ物が壊れる
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全身への悪影響
- 肩こり・首こり
- 頭痛
- 倦怠感・疲れ
- 顔の歪み
当院で行う歯ぎしり食いしばりの治療
当院では、歯ぎしり食いしばりの検査および歯ぎしりから歯や被せ物を守り、顎の筋肉や顎関節への影響を少なくするマウスピースによる治療を行います。